92Log,

ご自愛ください。

戦うこと。逃げること。

晩婚化が進む今日日、わたしの友人のおおよそ8割は20代で所帯を持った。

わたしの弟(次男)も例外ではない。

いわゆる、「Instagram」「Facebook」といったSNSは、披露宴挙げました、とっても幸せです!・子供が生まれました!!・家族で〇〇に行きました!!!!・新築建てました!!!!で溢れかえっている。幸せそうで何よりだなぁと生温い目で見ている。決して嫉妬なんかではない。と、思いたい。

 

 

 

今から7年ほど前から6年間に渡り、大げさに言えば毎月のように結婚式・披露宴に、友人に呼んでいただいた。多いときは、ひと月に3組なんてケースもあった。

気持ちはありがたいが、「祝儀貧乏」になっていた。

本当にどん詰まり、「恥ずかしい話だが、金策ができず行かれない」と、友人に相談したら、「そんなもん(祝儀)いらないから、お前は絶対に来いよ」といってくれた友人もいた。何人も。

 

当時は「ブラック企業戦士」として、新卒入社で会社に所属していたが、売上を上げども上げども所得は横ばい、それどころか難癖つけられ減給。かといって自制することもなく毎晩のように飲み歩き、貯金は増えないが借金は増えていく。借金を借金で返すなどしていた。「血を血で洗ってるみたいでカッコいいな、俺」そんなふうにも思っていた。他言はできないが。

なんとかしなきゃなーと思っても、毎日が徒然と流れていく。危機感がまるでない。

 

 

 

そんな中、転機が訪れたのが転職話だ。横文字で言えば「ヘッドハンティング」。

今考えれば、終わりの始まり。(多分後述するかも)

 

 

 

9月にその話を頂いた。曲がりなりにも筋は通そうと思い、当時勤めていた会社に「退職願」を提出。上司にその場で破られる。「退職願いを破るなんて、ドラマでしか見たことないなぁ」など呑気に眺めていた。

しかし、破られてしまったら辞められないので、提出→破られる。を繰り返していた。埒が明かず、こうなったらと、社長に直接出しに行く→破られる。

(後に知ることになるが、「労働基準監督署」なるところに行けば、すんなり終わったのに…無知は罪である)

あれ?会社辞められなくない?と思い、先輩・同期・後輩がどのようにして辞められたかを分析する。

 

出た答えは「バックレ」逃げること。

 

そのようなことはしたくない。根気よく毎日にように「退職願」を出し続けた。

そうすれば私の気持ちが通じるものだと思っていたが、現実は甘くない。

そうこうしている内に、転職先も難色を示す。

「11月から来てもらわなきゃ、この話はなかったことに」と。

もう10月も半ば、新しい住まいも契約済み。約1ヶ月も退職願を破られ続けて来た私のメンタルは弱っていた。

この会社を辞め、新天地へ行きたい。だけど辞められない。辞められなければ、新天地へ行けかれない。

弱った。10月最後の営業日、基本的に完全週休2日制。土日休みなのに何がブラック企業だとお思いかとは思うがそれは割愛。

金曜日に、「退職願」を提出する。結果は、破られる。

 

無い頭を振り絞り、土日でも営業している郵便局に走り、「退職届」「健康保険証」を簡易書留で送る。その晩に必要最低限の荷物を車に押し込み、夜逃げ同然で新天地へ。

実家住まいだった私が、新天地と選んだのは車で約3時間ほどの関東地方。

そもそも、新卒で入社した会社を選んだ理由が、「実家から近いから」であった。浅はかすぎる。

まさかとは思ったが、次の営業日(月曜日)に、上司と常務が家庭訪問。

家族には本当に迷惑をかけた。今後もかけたが。

 

 

 

結局私の選んだ行動は「逃げること」だった。

あまり後悔はしたことがない私が、「後悔」したことの一つである。

逃げ癖がついてしまったことが後悔の要因である。

 

 

ことわざで、「逃げるが勝ち」という言葉があるように、当然、逃げることも時には必要ではある。ましては「逃げ場所」なんて最たるものである。私にとっては。

しかし、逃げてはいけない場面というのも存在する。

私は、逃げてはいけない場面で、逃げてしまったのだ。

 

 

 

どうして、このようなことを書くに至ったかというと、何年か前にとある記事で、「逃げても良い」という書き出しから、「自然界では、逃げるという行為は生き延びるための一番重要なこと」「どんどん逃げてください」「逃げることは、生き物にとって本能です」と、なるほどなぁ・確かになぁと読んでいた。

しかし、疑問に思ったこと、それは、あくまで自然界での話であって、自分が生きている世界は人間界であると。カタギの世界で命まではとられないしなぁと。そりゃ、命狙われたら一目散で逃げますよと。

 

 

現実から逃げるためには、逃避行するか、自殺くらいしか道はないが、今私が死んでも1円の価値もない。あったとしても、数万円が関の山。保険解約しないでおけばなぁとも思ったこともある。

 

 

「人間界」で生きていく以上、ついて回るのがお金。呼吸しているだけで金がかかる現代をどう生きていくかは、一番は「逃げないこと」だろうと。

時には「戦う」ことも重要じゃないかと。

筋を通して生きていれば、戦っても周りが助けてくれるし、周りがいないよなんて人でも、行政・司法が助けてくれる。

 

企業戦士だった頃、よく上司に言われた言葉を時折思い出す。

「決して逃げるな。かわせ。逃げるとかわすは違う。かわした後に解決策を見い出せ。戦え」と

あれ?・・・退職願破るってことは逃げていることでは?

 

 

 

 

あくまでも私は、いわゆる健康体で、フリーではあるが、一介の営業マンであり、持っている免許も「運転免許証」くらいだ。

甘い考えかもしれないが、私はそうして生きていきたい。大丈夫。大丈夫。